2013年09月20日

【日記・時計】ダイジェスト版 時計修理技能士2級 実技解説02

 今回は「解答用紙」についてです。

 時計修理技能士2級の実技試験では、20130920_1.jpg
解答用紙が2枚あります。


 1枚は、状態チェックシート(本当の名前は知らない)で
最初に書き込むものです。

 時計のケースのイラストが、表裏分描いてありまして
課題時計を配布された後、時計の状態をチェックして不具合点を書き込みます。

 具体的には
ケース、竜頭、風防(ガラス)、文字板 のキズがあったら書き込む。
3針、カレンダー の動きがおかしければ書き込む。
竜頭の首振り、針曲がり、錆び などの不具合点があれば書き込む。
 って感じ。

で、一通り書き込んだら回収されます。
それから初めて裏蓋オープン ってなります。

評価時、ここに書かれていないキズがあったりすると
書いてなければ作業中のミスってことになるわけです。



 もう1枚は、最後に課題時計と一緒に提出するものです。
基本的に 事前に渡される課題に記載されている
要求事項に対する数値を書き込みます。
電池容量は、当日発表されますし
上から 歩度、電池電圧、コイル抵抗値、消費電流、動作停止電圧、電池寿命、
1ヶ月あたりの進み遅れ などを書き込みます。

 それぞれ、目安になる数値がありますので
実測の結果、大きく外れた数値を書き込むと、作業NGになるわけです。

 でも、嘘の数値を書き込んでも
実際に提出した時計の数値と違っていたら、それもNGですので
作業を成功させるしかないですね。


 ほかにも下の欄は、分解終了後 洗浄カゴに適切な部品が入っていることを
試験官に確認してもらい、確認印を押してもらうところだったり
巻真を交換してもらうとき、旧巻真を提出したことを確認してもらう欄です。

 洗浄カゴは洗浄液に入った状態で確認してもらうため
変なもの(回路ブロックとか)入れていた場合、目も当てられませんし
巻真は、旧巻真を提出した後に 新巻真を調整しますので
旧巻真は長さの参考にはできません。(比べながら削ることはできません)

 なかなかシビアな条件です。


 これらの解答用紙は、実際の修理を行う際に
初期状態のチェックをして証拠を残すことを想定したものと思われます。
カルテみたいなものでしょうかね。

 世間的には、こういうものを書かない修理業者が多いとか聞きましたが
実態の程は定かではありません。



 次回、裏蓋を開けて ケースからモジュールを取り出してみましょう。

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posted by BFN at 12:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事> 時計やおよろず | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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